北東アジア共同体憲章(案)

北東アジアを平和、友好、協力と繁栄の場に 

 

     起草者 札幌大学外国語学部教授(国際関係論) 金子 利喜男

 

注:赤い語句は、私案をさらに修正または加筆したもの。桃色のものは最近の追加修正。

 

第1章 定義、目的および原則・・・・・・・・・・・・・・ 3頁

第2章 会員の加入および除名・・・・・・・・・・・・・・ 3

第3章 機関および決定・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

第4章 始期の暫定的規則・・・・・・・・・・・・・    5

第5章 会長・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  6

第6章 総会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  7

第7章 国家間理事会 ・・・・・・・・・・・・・・・・  8

第8章 宗教理事会・・・・・・・・・・・・・・・・・   9

第9章 連帯理事会・・・・・・・・・・・・・・・・    9

第10章 議員理事会・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

第11章 平和理事会・・・・・・・・・・・・・・・・   11

第12章 友好関係理事会・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

第13章 領土境界理事会・・・・・・・・・・・・・・・ 13

14章 経済社会理事会・・・・・・・・・・・・・・・・ 14

第15章 金融産業理事会・・・・・・・・・・・・・・・  14

第16条 人権委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14

第17条 労働雇用理事会・・・・・・・・・・・・・・・  15

第18章 厚生医療理事会・・・・・・・・・・・・・・・  15

第19章 緊急支援理事会・・・・・・・・・・・・・・・  15

第20章 通信運輸理事会・・・・・・・・・・・・・・・  16

第21章 環境理事会・・・・・・・・・・・・・・・・・  16

第22章 資源保護理事会・・・・・・・・・・・・・・・  16

第23章 教育科学文化理事会・・・・・・・・・・・・・  17

第24章 報道情報理事会・・・・・・・・・・・・・・・・・17

第25章 観光ホテル理事会・・・・・・・・・・・・・・・ 17

第26章 スポーツ理事会・・・・・・・・・・・・・・・  18

第27章 青年理事会・・・・・・・・・・・・・・・・・  18

第28章 環オホーツク判所・・・・・・・・・・・・    18

第29章 事務局・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  19

第30章 国際機構との協力・・・・・・・・・・・・・・  19

第31章 最終規定・・・・・・・・・・・・・・・・・・  19

東北アジア共同体裁判所規程(案)・・・・・・・・・・・・  20

      北東アジア共同体憲章(案)

 

                      起草者 札幌大学教授 金子利喜男

                            2011年12月3日

   

注:赤色は修正。青色、桃色の語句は、私案をさらに修正または加筆したもの。

 

われら北東アジア共同体内の加盟国、その自治体および/または個人は、

 北東アジア共同体内およびその周辺地域の歴史が、長年にわたり異質的かつ未組織なものであったことを想起し、

 しかしながら、将来は北東アジア共同体の多様性、それらの文化および伝統を相互に尊重し合い、共同体内の諸民族、自治体、住民間の平和、友好、協力、連帯を深め、

基本的人権人間の尊厳および価値、男女および大小各国の同権に関する信念を確認し、

正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重を維持することができる条件を確立し、

並びに、このために、

まずは寛容を実行し、かつ善良な隣人として互いに平和に生活し、

北東アジア共同体を争いの場裏とするのでなく、それとはまったく逆に、光輝と繁栄の源となる平和、友好、協力関係、ダイナミックな戦略的互恵の精神、およびパートナーシップが支配する場に変革するため努力し、

この圏において、「力の支配」でなく、「法の支配」の樹立に寄与し、圏内の国際紛争をもっぱら平和的手段で解決し、

北東アジア共同体を平和地帯とすることにより、できるかぎり軍備縮小および軍事費削減を実行して、その削減分を平和部門に転用し、

北東アジア共同体の住民のための経済的および社会的進歩に寄与し、それがその他の分野に平行的に好影響を与える諸政策を探究し、

こ の圏内の他の国際問題を審議し、必要であれば、われらが提案を関係者に送付し、

諸問題を早期に解決し、これらの目的を達成するため、われらの努力を結集して、ここの住民を物的にも精神的にも結びつける歴史的な北東アジア共同体機構の創建を決定し、

さらに第2段階からの発展に関しては

中期的にわれらの機構が、より良く組織化され、それにともなって北東アジア共同体もいっそうダイナミックに発展する構想を探究し、

核兵器をふくむ国家軍備の縮小撤廃された北東アジア共同体、人びとが恐怖心なしに生活し、相互に理解し、尊敬し、喜びあいながら、さらに共感・交歓できる美しい北東アジア共同体を理念とし、

ついには、その果実としての信頼と繁栄、および、かかる圏内で開花する平和の促進に貢献することを決定した。
 
われらは、ここに至って、この「北東アジア共同体憲章」を締結するために、それぞれ全権委任状又は身分証明書を提示し、この憲章と一体の署名簿に署名した。

 201?年?月?日、われらが約束した憲章は、下記の通りである。

第1章 圏の定義、目的および原則

 

第1条(圏定義)  この憲章上、北東アジアとは、原則として、大韓民国、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、日本国、モンゴル人民共和国とロシア連邦のアジア部、オホーツク海、日本海、黄海および南シナ海(以下、圏ともいう)をいうものとする。

  2 総会は、その他の地域をこの圏に編入することができる。

 

第2条(目的)北東アジア共同体機構(以下、機構)の目的は、次のとおりである。

圏内平和と安全の維持に寄与すること。そのために、圏内における平和に対する脅威の防止および除去について、加盟国、団体および個人に提案又は勧告すること。

 法治北東アジア共同体の樹立および紛争の平和的解決に寄与すること。そのため、平和的手段により紛争を解決するよう加盟国、団体および個人に提案又は勧告すること。

3 人民の同権に基礎をおく友好関係の促進に寄与すること。そのため、適切な措置および催事を加盟国、団体および個人に提案又は勧告すること。

4 圏内の経済および生活水準の向上に寄与すること。このために、経済の補完関係、経済社会制度の改善などについて、加盟国、団体および個人に提案又は勧告すること。

    5 教育、科学、文化、スポーツ、その他の分野で交流を促進すること。

    6 以上の共通目的の達成に当たって、会員の行動を調整するための中心となること。

 

第3条(原則)機構、加盟国および他の会員は、第2条に掲げる目的を達成するに当たり、次の原則に従って行動しなければならない。

この機構は、加盟国の主権平等の原則に基礎をおいている

すべての会員は、この憲章上の義務を誠実に履行しなければならない。

会員は、会員間のみならず、圏内の紛争もすべて平和的手段により解決されるとの原則を遵守しなければならない

加盟国は、その国際関係においては、武力による威嚇又は武力の行使をいかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも慎まなければならない。

この機構は、加盟国の国内管轄権内にある事項に干渉してならない。

  

第2章 会員の加入および除名

第4条(加入) 1 会員の地位は、加盟国、自治北東アジア共同体連帯理事(以下、連帯理事公務員、およびこの憲章に掲げる義務を誠実に履行することができると認められる団体と個人に開放されている。

 2 加盟国、機構の主要機関に、原則として、それぞれ同数の成員を有する。

  3 いずれの加盟国も、加入にあたり総会の承認をえて、留保を提起できる。

 

第5条(個人)1 個人会員は、準備会員、役職会員、一般会員からなる。

 一般会員が多数になり、審議、投票または機構運営から不都合な状況が生じたとき、その加盟国の役職会員を同数にして、その他の個人会員を準会員とすることができる。

3 一般会員は、各理事会が統括する各部のいずれかに所属しなければならない。

第3章 機関および決定

第6条(主要機関)この機構の主要機関として会長総会国家間理事会、宗教家理事会、連帯理事会、議員理事会平和理事会友好理事会領土境界理事会経済社会理事会金融産業理事会労働雇用理事会、厚生医療理事会、緊急支援理事会、通信運輸理事会、資源保護理事会教育科学文化理事会報道情報理事会観光ホテル理事会スポーツ理事会青年理事会その他の理事会、北東アジア共同体裁判所および事務局を設ける。

 

第7条(決定) 1  機構およびその会員の意思表示、総会、会議等は、インターネット、テレビジョン、e-メイル、ファクス等でも、日常的に行うことができるものとする。 

2 主要機関および他の補助機関の決定は、別段の定めがないかぎり、出席した会員の過半数の賛成をもって決定する主要機関の満場一致による決定は会長の承認があれば、総会の審議なしに会員に送付又は公開することができる。

  

第8条(票数) 1 加盟国家、加盟自治体、連帯理事、団体、および前2者の国家と自治体が指名する公務員と個人(団体をふくむ)は、別段の定めがないかぎり、下記のような票数を有する。

a. 加盟国家は、総会では5000票、その他の機関では1000票を有する。

b. 自治体は、人口比により異なる票を有する。

@ 人口が100万以上の自治体は50票を有する;
 A 人口が10万以上から100万未満の自治体は40票を有する;
 B 人口が1万から10万未満の自治体は30票を有する;
 C 人口が1,000から10,000未満の自治体は20票を有する;
 D 人口が1,000未満の自治体は10票を有する。
 c.
公選の連帯理事は、30票を有する。
 d.
加盟国家が
指名する公務員は、20票を有する。

   e. 日ロの自治体が指名する公務員は、10票を有する。

f. 団体は、その成員の比較を考慮した下記のような投票権を有する。
    
@ 10,000名以上の成員をもつ団体は、7票を有する;
  A ,000名から10,000名未満の成員をもつ団体は、5票を有する;
   B 100名から1,000未満の成員をもつ団体は、4票を有する;
   C 10名から100名未満の成員をもつ団体は、3票を有する; および
   D 2名から9名までの成員をもつ団体代議員は、2票を有する。
   g.
一般会員は、1票の投票権を有する

                                   

第9条(任期) 1 機関の構成員の任期は5年とし各主要機関の次期の長は前任者の国籍と異なる会員のなかから選出される。役員は、他の役職を兼任できる。
 2 ある基点から4年間内に任務を開始した者は、つぎの基点で任期が終了する。
  ある基点前の1年間内に任務を開始した者は、つぎの基点で任期が終了する。
 4 別段の定めがないかぎり、会員は留任できるものとする。

 

第4章 始期の暫定的特例

 

第1節 憲章発効と暫定的機関

 

第10条(合同準備会議)1 機構は、始期の暫定期間においては、その創建に尽力した各国の各懇談会からなる最終合同会議の最終決定を考慮しなければならない。

  2 この懇談会または合同準備会議の成員は、もし希望すれば、この機構の原会員に優先的になることができるものとする。

 

第11条(発効)1 この憲章は、次の場合に発効できるものとする。

  a. 加盟国が批准書を交換したとき、又はそのうち一国家が批准書を寄託し、各国から以上の自治体と20名以上の個人が主要機関の役員に就任する意志を表明したとき

b. 各国から、それぞれ以上の自治体が会員となり、それぞれ30以上個人が主要機関の役員に就任する意志を表明したとき、

c. 各国から、それぞれ以上の団体(その支部をふくむ)、自然人40名以上が主要機関の役員に就任する意志を表明したとき、または

d. 各国から、それぞれ5以上の団体(その支部をふくむ)、自然人100名以上が原会員になり、そのうち30名が主要機関の役員に就任する意志を表明したとき。

 

第12条(憲章の準用)憲章発効後、ある主要機関が未成立で、また定数に達しなくとも、憲章を準用しつつ、会長は機構を発展させる第1次的責任を負うものとする。

 

第13条(始期の総会)1 始期の総会は、まず下記のように行われる。

   a. 発効時の第1回総会および第2回総会においては、会長総会議長理事長、理事、事務局長が、任期1年で選出されることができるものとする。

   b. 総会は、未加盟の国家、自治体、関係団体に機構に適時に加入するよう要望する。

  2 第1回総会は東京で、第2回総会は他の国の会員が多い都市で開催される。 

 

第14条(始期の会長)1 会長および副会長は、憲章の細則を主要機関の各長に提示し、総会の過半数の賛成があれば、その採択後に時限細則を定めることができる。

  2 会長は、機関の長と協議し、その機関の成員を指名できるものとする。

3 次期会長は、前期会長の国籍と同一であってはならず、また第1副会長も会長の国籍と同一であってはならない。

 

第15条(理事会)1 国家代表が成員の国家間理事会、平和理事会領土境界理事会経済社会理事会労働雇用理事会、通信運輸理事会、資源保護理事会が、国家の未加盟により憲章発効後5年間活動しない場合これらの活動事項と形態は総会が決定する。

  2 国家代表が成員でない連帯理事会議員理事会友好関係理事会金融産業理事会厚生医療理事会緊急支援理事会教育科学文化理事会観光ホテル理事会スポーツ理事会、青年理事会は、それぞれ各国から3名以上の理事で活動できるものとする。

第2節 連帯理事会と議員理事会

 

第16条(連帯理事会と議員理事会)機構の始期においては、連帯理事会の理事選挙は、議員理事会下の議員部の内外から、共同体内国家の同数の議員が選挙人となり行われる。被選挙人については、第33条を準用する。

 

第17条(選挙人)連帯理事の選挙において、議員部の議員は、国会議員がそれぞれ2票、自治体の議会議員は1票を有する。選挙人名簿からみた加盟国間の票数の差異は、共同体内の友好自治体の首長が、人口の多い順位で1票を有するものとして補完する。

 

第18条(連帯理事会の任務の代行)1 議員理事会は、連帯理事会が未成立のあいだに、第36条に定められている任務を代行することができるものとする。

  2 現議員だけでなく元議員も、議員部の成員になることができるものとする。

 

第19条(各理事会所属の議員)始期の暫定的期間において、いまだ連帯議員が選出されないあいだは、議員が議員理事会と連帯理事会の理事を兼任できるものとする。

 

第20条(始期の終了と国家の加入)1 第4章の始期の暫定的な特例規定は、総会の決定によって、部分的または全面的に廃止することができる。

  2 国家が機構に加入するときは、その国家の意志にそい、またはそれにかかわらず、本憲章の部分的改正の当否を審議ため、検討会議を開催しなければならない。

  3 次の第5章以下が、共同体機構の本格的な形態として規定されている。加盟資格6か国のうち数か国が加入しなくとも、その空席のまま共同体は機能できるものとする。

 

               章 会長

第21条(選挙)1 会長選挙のさい、すべての会員は会長候補になることができる。
 2 会長選挙のさい、会員の種類によって、第8条で定められているように、会員は異なる投票数を有する。選挙の細則は、総会が
決定する。
 3 第1副会長と他の副会長は、異なる国籍の連帯理事の中から任命され、会長から要請があるときにのみ会長を補佐するものとする。
 4 この機構に名誉会長、顧問および相談役をおくことができる。

第22条(主要任務) 1 会長の主要任務は、重要人物を接受し、機構を代表すること; 第1副会長、副会長、会長補佐、および細則により役員を任命すること; 事務を関係部署に割り当て、その業務を監督すること; 条約案、規程案、規則案、細則案、提案、および他の重要文書の案を作成するよう関係機関に要請すること; 機構の事業につき、総会に年次報告を行うことである。
 2 
会長は会長声明を公表でき、緊急事態の発生のさい、又は複数の紛争の継続中に、会長の発意によって、すみやかに緊急声明を発表するよう主要機関の長に要請できる。 

章 総会

 

第23条(構成)1 総会は加盟国、加盟自治体、連帯理事および前2者が指名する公務員と個人(法人をふくむ)によって構成される。

 

第24条(任務) 1 総会の主要任務には、第2条が定める目的に付随する任務として、とりわけ、次の事項を含むものとする。

a. この共同体にかかわる積極的平和の道を探究し、関係者に提案する。

  b. この共同体に関する国際的性格の公的および私的紛争について調停者になる。

c. 共同体内の国際関係の条約素案検討し、加盟国および他の会員に提示する。

d. 共同体内の同一分野の交流を組織的かつ効率的に促進する。

e. 各理事会、他の機関から報告を受け、これを審議する。

f. 機構の予算を審議し決定する。

g. 北東アジア共同体機構が、より組織化された機構として深化する過程を探究する。

   機構の経費は、原則として、加盟国および自治体が負担する。総会が、他の会員の会費を決定する。

3 総会は、この憲章の範囲内にある問題、機関の権限と任務に関する事項を討議し、このような問題又は事項につき、加盟国に提案することができる。

 

第25条(決定および重要問題) 1 手続事項および機構による調停以外は、総会の決定は、加盟国賛成投票をふくみ過半数の賛成をもって採択される。ただし、重要問題に関する総会の決定は、加盟国賛成投票をふくみ、出席し且つ投票する会員の3分の2の多数票によって行われる。

2 前条の重要問題に含まれるのは、機構からの除名; 理事会の成員と事務局長の選挙; 圏内の国際関係の条約素案の作成および加盟国家への提示; 総会が調停者となる決定; 平和理事会の決定の再審議; 予算の問題および決算の承認; 憲章の改正; 総会が追加する他の事項である。

              

第26条(平和問題) 1 総会は、北東アジア共同体の平和および安全の維持についての協力の一般原則を、軍備縮小と軍備規制を律する原則も含めて審議し、このような原則に関し加盟国、団体および個人に提案することができる。

  2 総会は、北東アジア共同体の平和および安全を危うくする恐れのある事態について、平和理事会の注意をうながすことができる。

  3 平和理事会が、憲章によって与えられた任務を圏内の国際紛争又は事態について遂行しているあいだ、総会は、同理事会が要請しない限り、この紛争又は事態に関して、いかなる提案もしてならない。

 

第27条(議長) 議長は、総会により、連帯理事の中から選出されるものとする。
 2 議長の主要任務は、総会の議長となり、この総会を代表し、重要人物を接受し、諸国の首脳または関係者と対話を行うことである。
 3 
共同体内外の重大な国際関係について、議長声明を発表することができる。

                            第7章 国家間理事会

第28条(総会との諸関係)1 手続事項および機構による調停以外は、国家間理事会は、その同意なく総会の決定に拘束されることはない。

2 憲章の範囲内の事項について、日ロ首脳間または政府間に合意がある場合には、それを総会は尊重しなければならない。

  3 この機構の優先課題を決定するさい、この理事会と他の理事会の要望が競合する場合には、国家間理事会の要望が優先する。

4 日ロ両国家は、必要なら、国家代表が成員でない理事会、その他の機関に投票権なしにいつでも出席することができるものとする。

 

第29条(構成)1 国家間理事会は、日本国総理大臣、ロシア連邦大統領、閣僚会議の日本側代表とロシア側代表それぞれ1名、この理事会下の委員会の日本側代表とロシア側代表それぞれ1名からなる。

2 この機構の会長および事務総長は、この理事会に出席することができる。ただし、会長と事務総長は投票権を有しないものとする。

  3 議長国は、日本国総理大臣とロシア連邦大統領の合意によって、必要におうじて国家間理事会を開催する。日本国とロシア連邦は、交互に議長国となる。

  4 国家間理事会、同理事会内の日ロ首脳会議、閣僚会議および常設委員会は、すべてコンセンサスによって決定される。

 

第30条(原則と任務)理事会の主要任務は、第2条が定める目的に付随する任務として、次の事項を含むものとする。

a. 周辺諸国と世界共通の利益を害せず、両国間の平和、友好および協力関係を促進しようとする精神を共有して、まずは合意できるものを優先することを原則とする。

a. 憲章の範囲内の問題、機関の権限および任務に関する事項を討議し、このような問題又は事項について、日ロ両国、この機構の機関および会員に提案することができる。この提案が、他の機関の提案と競合するとき、その両提案について総会が決定する。

  b. この憲章の範囲内にある事項について、日ロ両国家、両政府または官庁を法的に拘束する条約案およびその他の文書案を策定することができる。このような諸文書の作成過程においては、交渉は非公開で行うことができるものとする。ただし、調印された文書は、総会に報告されなければならない。

 

第31条(首脳会議)両首脳は、過去の事実の議論よりは、将来計画の立案と合意達成に努力し、両国および両国民に希望と活力を与えるよう努力する。

 

第32条(閣僚会議)日ロ外務相会議、日ロ財務相会議は常設とし、その他の閣僚会議は、必要におうじて設ける。閣僚会議の主要任務は、機構内外の関係を調整することである。

 

第33条(委員会)各閣僚会議のもとに、その決定の執行に責任を有する委員会を設置し、また国家代表が成員となっている理事会のためにも委員会を設けることができる。

第7章 宗教家理事会

第34条(構成) 1 宗教家理事会は、加盟国から名の各宗教を代表する宗教家、計30名からなる

 一国で4以下の宗教団体および宗派が会員であるとき、同一の宗教から複数の宗教家が理事会の成員になることができるものとする。

3 理事会は、信者と関係者が参加する宗教部を組織する。

 

第35条(任務) 宗教家理事会は、全人類的立場にたって、下記の主要任務を有する。

a.  加盟国およびその住民が、相互に理解し尊敬し、さらに共感・交歓できる北東アジア共同体を発展させることに、とくに精神面において寄与する。

  b. 北東アジア共同体内で、人びとが不幸、惨事、苦痛、悲哀で苦しんでいるときは、できる範囲内で、そのような人々を物心両面から支える措置をとる。

  c. この機構会員が、できるだけ一致協力して北東アジア共同体を発展させることができるように、会員を精神的に支え鼓舞し、その活力と喜びの源となる。

d. 共同体内の宗教家交流を促進して、教義上の共通原則について、たがいに理解を深めることができるような研究会やその他の措置を策定する。

 

 

 

              章 連帯理事事会

 

第36条(目的および圏単一大選挙区) 1 この機構が、国益だけでなく、圏それ自体の公的な利益も代表することができるようにするため、連帯理事の選挙について初段階においては、北東アジア共同体の単一大選挙区制度を採用する。

  2 この機構成立の10年後、中選挙区制と小選挙区制をも検討することができる。ただし、いずれの制度にも国際的な要素が導入されていなければならない。
   

第37条(選挙人)機構の初段階で、選挙人は加盟国から各20名の国会議員、80名の自治体議会の議員とする。選挙人は、加盟国内の各政党別および無所属の議員数の比例にもとづいて配分される。

 

第38条(被選挙人) 1 加盟国から30名の連帯理事が選出される。立候補者には圏内の23歳以上の市民がなることができる。ただし、青年理事会に配属されることを希望する候補者には、20歳以上の市民がなることができるものとする。

  2 連帯理事の立候補は、とりわけ、次の要件を満たしていなければならない。

  a. 自国民3名、他方の国の国民の中から各1名以上の推薦があること。

b. 選挙日の4か月前から、立候補者としての政見を圏内諸政党に表明していること。

c. 機構のホームページで、可能な限り、圏内諸政党からの質問に回答すること。

 

 

第39条(構成) 1 連帯理事会は、日ロ両国から、それぞれ連帯理事名、民間人名の計20名で構成される。
 2 理事長は再選されず、次回選挙では、前理事長の国籍と異なる会員が理事長候補となることができる。副理事長は、理事長と同一の国籍であってはならない。

 

第40条(任務)理事会は、圏全体の共通利益を代表しつつ、とりわけ、下記の主要任務を有する。

a. 圏全体の共通利益を探究し、その結果について総会に報告又は提案する。

b. 圏内の国際問題に関して、総会がその意志を決定できない場合、連帯理事会が、その4分の3以上の多数決で、総会での再審議を要請できるものとする。

c. 圏内外の議員間の交流および相互理解、並びに圏内外のNGOとの交流を促進する

d. 機構が中長期的に、より良く組織化され、それにともない北東アジア共同体がいっそうダイナミックに発展する構想を探究し、それを総会に報告する。

第10章 議員理事会

第41条(選挙)議員理事会の成員になる会員は、理事選挙以前、国内外の自己の推薦者を公表することができ、北東アジア共同体については、自己の政見を機構のホームページで公開しておくことが望ましい。

 

第42条(構成)議員理事会は、会員の議員のなかから各国同数で選出される4名、および一国から選出される連帯理事1名、計20名で構成される。

  

第43条(任務)議員理事会は、自国、自己の自治体の利益だけでなく、この北東アジア共同体の利益をも考慮しつつ、下記の主要任務を有する。

a. 共同体内の議員交流と相互理解を促進し、議員部外の議員にも交流を呼びかける。

b. 共同体内の政治的分野の協力関係を促進し、他の分野の圏内協力関係を支援する

c. 関係団体と住民の要望を受理し、会長とともに、その調整措置を検討する。

d. 連帯理事の選挙のさい、議員部のなかから、5名の連帯議員候補者を推挙する。

e. 必要なら、理事会の決定を関係者に送付する。

 

第44条(議員部)1 議員理事会のもとに、すべての会員議員からなる議員部を設ける。この議員部の成員には、元議員および議員志願者もなることができるものとする。

  2 議員部内に、機構の各主要機関に関係する各種委員会を設置することができる。委員は、オブサーバーの資格として、主要機関に出席することができ、主要機関の長から意見を求められたときのみ、それを表明できるものとする。

 

 

 

第11章 平和理事会

第45条(構成) 平和理事会は、それぞれ加盟国から、国家代表1名、 連帯理事3名、民間人1名、計30名で構成される。

 

第46条(主要任務) 理事会は、主に加盟国間の平和および安全の維持を確保するために、下記の主要任務を有する。

1 この共同体による提案又は調停等の迅速な平和的行動を確保するために、会員は共同体の平和および安全の維持に関する主要な責任を、この共同体内では、平和理事会に負わせるものとし、かつ、理事会がこの責任に基づく義務を果すさい、会員に代わって行動することに同意する。

2 共同体内の人的および経済的資源を軍備のために転用することを最も少なくして北東アジアの平和および安全の維持を促進する目的で、軍備規制の方式を確立するため、加盟国に提出される計画を作成し、それを総会に提出しなければならない。

3 加盟国および関係者が、第44条で定められている平和地帯に関する規則を遵守しているかを調査規程に従って調査する。

平和地帯の規則に反する疑いのある事実に関して、理事会で判断できない場合は、その問題を付属議定書で定められている事実調査委員会に付託することができる。

積極的平和を促進するため、次の平和教育および催事を実施する。

   a. 対立的かつ分断的な地域が組織的な平和地帯になる意義の教育の促進。

     b. とくにアジア諸国への平和地帯化に関する情報提供。

     c. 諸民族間および諸国間の平和に関するさまざまな催事の促進。

6 北東アジアの平和地帯に関する年次報告を作成する。

  

第47条(平和地帯)1 対立的な北東アジアを一変し、それを平和地帯とする。

加盟国は、次のような行動をこの平和地帯で慎まなければならない。

a. 圏内の加盟国にたいする先制攻撃がありうるとの言明または示唆。

b. 軍事基地の新設、対GNP軍事費率および軍事要員の増加。

   c. 別表と地図が示す南シナ海、東シナ海、黄海、日本海およびオホーツク海域での軍事演習。但し、潜水艦を含む艦船および軍人のたんなる通過は妨げられない。

d. ミサイル兵器の相手締約国内の目的を標的とするセット。

e. 無防備宣言自治体にたいする軍事行動。

3 前項以外の諸問題でも、加盟国は、北東アジアを平和にするよう努力し、このような平和地帯の尊重を他国にも要請する。

 

第48条(平和的解決の義務) 1 加盟国は、いかなる紛争でも、その継続が環オホーツク海圏の平和、安全および友好関係の維持を危うくする恐れのあるものについては、早期に平和的手段による解決を求めなければならない。

    2 紛争当事者は、まず第1に、交渉によって紛争を解決するよう努力しなければならない。紛争の発生から20年以内に交渉で紛争を解決できなければ、審査、仲介、調停、仲裁裁判、司法的解決、その他当事者がえらぶ平和的手段をも利用する解決方法も考慮に入れるものとする。

             12章 友好関係理事会

第49条(目的)友好関係理事会の大きな目的は、共同体内の自治体、民間団体、一般人の平和、友好、協力関係を促進することである。

第50条(構成)1 友好関係理事会は、加盟国から、それぞれ自治体代表名、民間代表名、計30名で構成される。
 2 理事会の決定により特別な影響を受けると判断する共同体内の姉妹団体は、臨時的に理事会の成員となることができる。
 3 理事長は、自治体代表又は連帯理事の中から選出されるものとする。

第51条(主要任務)理事会の主要任務は、つぎのとおりである。
 
a. 共同体の友好団体が、さらにその諸関係を強化し、包括的な友好自治体連盟、友好大学連盟、友好民間団体連盟、友好学校連盟、その他の友好連盟の結成を促進する。
  b. 共同体内の団体で、まだ国際的友好関係を結んでいないものに関し、そのような関係設定が有益であるとみえる場合、そのような連携設定に助力する。
  c. 自治体および他の友好団体の多面的な活動を支援し、その議案を審議し、その結果を総会に提示する。
  d.北東アジア共同体の5年ごとに行うことが可能な平和友好文化祭を立案する。
   e. 友好関係に関する情報を交換するセンターとなり、総会に年次報告を提出する。  
  f. 平和地帯理事会と協議しつつ、これらの自治体が、みずから平和宣言自治体になる決議を採択する道を探究する。
  g. 同体体内の言語および文化を学習する課程を、姉妹自治体内の少なくとも1校で、正課又は課外活動として導入する方策を促進する。
  h. インターネット、テレモスト、その他の最新の情報手段を駆使し、各姉妹団体間の相互理解を促進する。

第52条(友好自治体連盟)友好自治体連盟は、特に経済社会理事会金融商業工業理事会労働雇用理事会、厚生医療理事会、通信運輸理事会、資源保護理事会、教育科学文化理事会、観光ホテル理事会スポーツ理事会、青年理事会と連携しつつ、各自治体の発展の発展に寄与しなければならない。

 

第53条(文化会館)1 加盟国政府は、自らも出資して、その出資比率にかかわらず、姉妹自治体が管理運営できる北東アジア文化会館が、共同体の加盟自治体に建設されることを促進する。

  2 出資当事者が、この会館の運営管理を決定する。

 

 

 

 

 

13章 領土境界理事会            

第54条(原則) 1 領土境界理事会は、共同体内の領土境界紛争に関して、紛争当事者が双方とも等しく満足するような解決方法を見出すよう努力しなければならない。
 2 領土境界問題は、国家の尊厳と民族感情に触れるため、国家代表のみならず、その他の会員も、過激な感情的言辞をさしひかえなければならない。
 3 係争地の帰属については、紛争発生前の事実を重視し、紛争発生後は係争国の合意を重視するものとする。
 4 理事会は、共同体内の領土境界の画定又は帰属について、法的結論を差し控えなければならず、法的判断をなすのは国際裁判所であるという原則を維持する。

第55条(構成)1 理事会は、加盟国から、それぞれ国家代表が1名、連帯理事2名、国際法学者2名、計30で構成される。
 2 所与の事件について、理事会の承認がある場合には、利害関係者は、投票権なしで理事会において発言できるものとする。

第56条(任務) 1 理事会は、下記の主要任務を有する。

a. この圏内の明確な合意のある国境と境界、そうでない地域と海域を調査する。

  b. 領土境界の紛争当事者の主張、その証拠、それの全文又は要約の文書を準備する。

c. 総会が要請する場合に、圏内の領土境界関係の一般条約草案を総会に提示する。

d. 紛争当事者の合意がある場合、その領土境界紛争について調停者になることができる。総会の要請による調停活動は、第43-45条によらなければならない。

   理事会は、下記のような周旋、仲介、狭義の調停を採用できる。
    a. 周旋者は、紛争の核心にかかわる具体的提案を行なわないものとする。
  
b. 仲介者は、周旋のときより多少とも具体的な提案を行なう。
  
c. 調停者は、政策的面だけでなく、法律面を加味して調停案を提示できる。

第57条(調停委員会の任務)調停委員会の主要任務は、つぎの通りである。
  a. 紛争当事国の主張を併記し、法的事実をできる範囲で明らかにする。
   b. 法的事実に適用される国際法の原則、規則、学説および判例を明らかにする。但し、

  これらを調停案に明記することは義務的でない。
   c. 関連要素を考慮した場合に、いくつかの選択肢、および最善と判断される解決方法を
    係争当事者に提示する。

第58条(調停案) 1 調停案を受諾しない加盟国は、詳しい理由を理事会に提出しなければならない。機構は、そのような行為を非友好的なものとして扱ってはならない。
   この紛争の国際裁判による解決については、第25章のほか、この憲章と一体をなしている北東アジア共同体裁判所規程が定める。

 

第14章 経済社会理事会

第59条(構成)経済社会理事会は、加盟国から、それぞれ国家代表1名、連帯理事2名、民間人名、計30で構成される。

 

第60条(主要任務) 1 理事会の主要任務は、以下のとおりである。

a. 機構の年間、5か年間の経済的社会的計画を立案し、総会に同計画を提示する。

  b. 共同体の経済社会に関して報告し、機構の年間予算と決算案を総会に提出する。

c. 共同体の富源開発、輸送、販売の全体像を把握し、その関係事項を立案する。

d. 共同体のハイテク移転とインフラ整備の全体像を把握し、その関係事項を立案する。 

e. 共同体内の疾病、経済格差、福祉などの諸問題の解決を促進する。

f. 経済的社会的発展に資する国際大会の組織を立案する。

  g. 経済的社会的関係に関し条約案を作成し、民間人と協定を締結することができる。

  

第14章 金融産業理事会

第61条(構成)金融商業工業理事会は、加盟国からそれぞれ連帯理事1名、民間人9名、計60名で構成される。理事会は、そのもとに圏企業家連合を組織する。

 

第62条(任務)理事会の主要任務は、以下のとおりである。

a. より良い平和な北東アジア共同体の経済的発展にめ奉仕する商業企業を奨励する。

  b. より良い北東アジア共同体の発展のため、圏内金融産業の世界的連携を促進する。

c. 機構と協力する商業企業を育成し、それに情報を提供し、商談の設定に協力する。

d. 理事会が経営する、又は経営に参加する企業の形態を研究する。

e. 圏内の金融商業工業に関する総合的な情報網のセンターとなる。

 

第16 人権理事会

第63条(構成)人権理事会は、日ロ両国からそれぞれ国家代表が1名、連帯理事2名、民間人4名、総計14名で構成される。

 

第64条(原則と任務)1 理事会は、下記の原則に立脚しなければならない

a. 国連憲章の人権関係の原則を尊重し、環オホーツク海圏に適切な制度を利用する。

  b. 環オホーツク海圏の特殊性並びにその歴史的、文化的、および宗教的背景を考慮する。

c. 圏内の国際的人権事項を扱い、同国人のどうしの人権問題は当該国の管轄とする。

 2 理事会は、下記の主要任務を有する。

a. 人権教育、助言サービス、技術的援助の提供を促進する。

  b. 人権のテーマ別の事項について、対話のためのフォーラムとなる

c. の圏にかかわる人権の促進と保護にかんして提案する。

d. 人権侵害の防止に貢献し、できるだけ速やかに人権にかかわる緊急事態に対応する。

e. この圏にかかわる人権不服制度を研究する。

第17条 労働雇用理事会

第65条(構成)労働雇用理事会は、加盟国からそれぞれ国家代表1名、連帯理事名、使用者側の民間人1名、労働者側の民間人1名、30で構成される。

 

第66条(任務)理事会の主要任務は、以下のとおりである。

a. より人道的な労働条件が圏内で採用される方策を加盟国と関係者に提案する。

b. 失業がないような共同体の樹立をめざし、それについて加盟国と関係者に提案する。

c. 加盟国間において、外国人労働者の受入は、できるだけ相互的な基礎で行う。

 

第18章 厚生医療理事会

第67条(構成)厚生医療理事会は、加盟国からそれぞれ連帯理事1名、国家公務員1名、民間人名、計30名で構成される。理事会のもとに、厚生医療部をもうける。

 

第68条(任務)理事会の主要任務は、以下のとおりである。

a. 国際協力のために、福利厚生と医療に関する圏内の基本的な状況を調査する。

b. 人道的な厚生医療条件が共同体内で採用される方策を加盟国と関係者に提案する。

c. 厚生医療分野における国際的研修を促進する。

 

第69条(加盟国の義務)加盟国は、厚生医療にかかわる者の入国、器具とその他の物資の移転に関して、特別な優遇に配慮をしなければならない。

 

第19章 緊急支援理事会

第70条(構成)緊急支援理事会は、平時には加盟国から、それぞれ国家代表1名、連帯理事1名、国家公務員1名、地方公務員1名、民間人5名、計54名からなる

 

第71条(任務)緊急支援理事会は、下記の重要な主要任務を有する。

a. 大惨事が生ずる以前の調整機関または調整者(コーデイネイター)を想定し、それが不足している場合には、それらを養成する方策を機構内外の関係者に提案する

  b. ありうる大惨事について、詳細なシミュレーションを想定し、専門家のコメントを加えて、共同体内における大災害時の予防的措置を公開しておく。

d. 大惨事中、会員、とくに加盟自治体が、つぎの第71条にしたがって、共同体内の被災自治体または個人に迅速な支援を行う大惨事対策本部を設置する。

 

第72条(加盟国の義務)1 故意または過失によって、民間人または自治体が起こした大惨事が相手国に損害をあたえたさい、その民間または自治体が補償できない部分は、その加害者の国家が代位責任を負うものとする。

2 加盟国のいずれも、自国と加盟自治体が事前に合意していた国際支援準備、とくに外国の専門家、船、航空機、特殊機器の受け入れを迅速に認めなければならない。

 

第20章 通信運輸理事会

第73条(構成)理事会は、加盟国から、それぞれ国家代表1名、連帯理事1名、公務員1名、民間人名、計30で構成される。

 

第74条(主要任務)理事会の主要任務は、以下のとおりである。

a. 共同体内の国際的運輸の調和的発展を計る。

  b. インターネットを駆使して、共同体内の通信運輸の現状を公開する。

c. 共同体内の安全な物流の組織化を調査し、その情報を会員に提供する。

d. 共同体内の通信運輸を円滑に発展させるための協定案を作成し、総会に提出する。 

 

第21章 環境理事会
第75条(構成)環境理事会は、各加盟国から国家代表1名、連帯理事2名、民間人2名で構成され、機構の環境会議は、この機構の会員で、環境に関心ある団体と個人からなる。 

 

第76条(任務)環境理事会の主要任務は、つぎのとおりである。
a.
圏内の環境悪化の現状、将来の予想、その防止対策然の状況を調査する。
b. 機構に関係する範囲内で、現行諸条約を研究し、研究結果を発表する;
c.
総会に提示すべき議題を決定し、そのための具体案を作成する;
d.
環境保護団体の国際的、国内的、および地域的な活動の協力関係を促進する;

e. 環境の保護と改善に努力する企業および個人のために、環境基金を創設する;
f.
圏内での汚染、その他の環境上の損害の被害者に対する責任および補償について、
  必要なら、理事会の意見を当事者に提示することができる。

 

         第22章 資源保護理事会

第77条(構成)資源保護理事会は加盟国からそれぞれ国家代表が1連帯理事2名、公務員1名、民間人1名、計30で構成される。

    

第78条(主要任務)理事会の主要任務は、以下のとおりである。

a. 持続可能な資源維持の目的で、適正な措置を立案する。

b. 資源保護に関する提案書を作成し、理事会名で総会又は関係者に提案する。

c.  圏内の資源の開発に資する国際大会の組織を立案する。

  d. 圏内の資源保護について、協定案を作成し、それを総会に提出する。 

e. 圏内の資源に関する年次報告を作成する。

 

第79条(沿岸諸国の主要責任1 オホーツク海、日本海、黄海、南シナ海の沿岸諸国は、これらの海の資源保護について、主要な責任を有する。

2 可能な限り、沿岸国は諸国の漁民の既得権を衡平に考慮しなければならない。

 

 

第23章 教育科学文化理事会

第80条(構成)1 教育科学文化理事会は、各加盟国から、それぞれ連帯理事が1名、公務員1名、民間人5名、計42で構成され、そこにいくつかの部を設ける。

 2 この民間人各1名のもとに、それぞれ自国の5名の副理事をおく。

 

第81条(部の主要任務)1 教育部は、学校教育と生涯学習において、圏内の相互理解、生徒と学生の留学を促進し、専門化養成のため幼少時からの一貫教育を策定する

2 科学部は、どの科学のどの分野が圏の発展に効果的かを研究を奨励し、その中で実用化できるものは、その開発を提案する。

3 文化部は、圏の発展のため、何文学、演劇、映画、音楽、絵画などの各分野のなかで効果的かを研究し、その計画を提案し、同時に奨励する。

  4.法学部は、国際法、平和学、国際政治学、国際行政学などの研究を奨励し、この機構に関係する専門家を養成する。
 
5 生活部は、消費者保護、生活環境改善、ボランテア活動を促進し、親睦増進、クラブなどの大衆的な場の設定を促進する。

第24章 報道情報理事会

第82条(構成)1 報道理事会は、圏に関する完全中立かつ公正な報道を主目的とし、加盟国から、それぞれ連帯理事名、民間人名、計30名からなる

  2 理事会のもとに、北東アジア共同体協会をおく。

 

第83条(主要任務)1 理事会の主要任務は、以下のとおりである。

a.  圏内外の客観的、中立的かつ公正な報道の確立に寄与しなければならない。

b. そのため、圏単一の公正な報道機構の設立を立案し、その運営と管理に参与する。

c. 理事会の刊行物を発行し、機構のホームページを作成・更新する。

   2 報道関係の会員は、その可能な範囲で、前項が定めている公正な報道機構の設立、、その運営と管理に協力する。その運営と管理は、北東アジア共同体協会が行う。

 

第25章 観光ホテル理事会

第84条(構成) 1 観光ホテル理事会は、加盟国から、それぞれ連帯理事1名、民間人4名、計30で構成される。

    2 この理事会のもとに、北東アジア共同体観光協会を設置する。

第85条(任務) 理事会の主要任務は、つぎのとおりである。
  a. 圏内の国際観光が、住民に有益で、相互理解に役立つ
ような方策を検討する。
  b. 圏内の国際観光が、旅行者の志向にそって、より多様になる企画を支援する。
  c. 圏内の観光協会、ホテルおよび宿泊施設の情報を集積し、その組織化に寄与する。
  d. 圏内の大惨事発生のさいは、被災者に特別な考慮をはらわなければならない。

第26章 スポーツ理事会

第86条(構成)理事会は、加盟国から、それぞれ、連帯理事1名、公務員名、民間人名、計30で構成され、そこにいくつかの部を設ける

  2  この民間人各1名のもとに、それぞれ自国の5名の副理事をおく。

 

第87条(任務)1 理事会の主要任務は、つぎのとおりである。
a.
レベルで行う定期スポーツ大会の企画を支援する。
b.
圏内の人びとが、スポーツを通して親善交歓できる場の企画を奨励する。
c.
圏内における国際親善試合の指導者の育成に努力する 。
d. とりわけ、冬季スポーツの振興に努力する。
2 理事会傘下のスポーツは、国威発揚でなく親善を旨とし、団体または個人の努力を表彰する。国歌の演奏は行わないものとする。             

第27章 青年理事会
第88条(構成) 青年理事会は、加盟国から、それぞれ、連帯理事1名、民間人名、 学生名、計30で構成され、その機関として、17歳から29歳までの会員からなる青年部をおく。

第89条(任務)理事会の主要任務は、つぎのとおりである。
  a. 青年部の全圏的な組織化、および国別支部の組織化を推進する。
  b. 青年部が、圏内の学生と生徒との良好かつ未来志向の関係を結ぶことを奨励する。
  c.
平和教育基金の創設と運用の活動を積極的に行う。

d.  国際および国内での平和文化祭を開催し、インターネット交流をも促進する。

第28章 北東アジア共同体裁判所
第90条(裁判所規程) 1 北東アジア共同体裁判所は、事件が北東アジア共同体に関係するなら、圏内だけでなく圏外の住民その他の法的主体のためにも開放される。
 2 北東アジア共同体裁判所は、北東アジア共同体裁判所規程程に従って任務を行う。
 3 この憲章の当事国、およびこの機構の役員は、北東アジア共同体裁判所規程の当事者となる。但し、総会が決定する条件で、加盟国は規程の当事者となることができるものとする。  

第91条(他の裁判所への付託)会員は、その相互間の紛争解決をすでに存在し又は将来締結する協定によって他の裁判所に付託することができる。

第92条(勧告意見および参考意見) 1 この機構の各主要機関は、国際的性格を有する法律問題について、裁判所の判決または勧告意見を求めることができる。

  2 規程に従って、いかなる正会員も、法的拘束力がない参考意見を北東アジア共同体裁判所に一方的に求めることができる。これは諮問者だけに回答される。

第29章 事務局
第93条(構成)事務局は、一人の事務局長とこの体機構が必要とする職員からなる。

事務総長は、その資格で機構のすべての機関において行動し、かつ、これらの機関から委託される他の任務を遂行する。

 

第94条(影響行使の禁止)加盟国および他の会員は、事務総長と職員の責任のもっぱら国際的性質を尊重すること、並びにこれらの者が責任を果たすに当たってこれらの者を左右しようとしないことを約束する。

 

第30章 国際連帯機構との有機的関連

第95条(国際協力)この機構は、加盟国、国際連合、国際組織、NGONPO、とくにこの機構と類似組織の他の国際連帯機構(以下、連帯機構という)と協力関係を維持する。

 

第96条(国際連帯機構間の協力)この機構は、世界平和を強化し、諸民族の友好と協力を促進するために、他の連帯機構と下記のような有機的関係を維持しなければならない。

a. 別段の定めがないかぎり、各連帯機構は平等であるということを原則とする。

b. 各連帯機構は、つねに平和的、友好的かつ協力的な関係を強化しなければならず、同時に他の地域的機構にたいしても、そのような関係を維持しなければならない。

c. 北東アジア共同体機構は、できるだけ他の連帯機構と類似の目的と機関を維持して、連携をとりやすくすると同時に、他の連帯機構の経験をも考慮する。

 

第31章 最終規定

第97条(憲章の優先)加盟国のこの憲章に基づく義務が、その国内法の義務に抵触するときは、この憲章に基づく義務が優先する。

 

第98条(法律上の能力)この機構は、加盟国との協定に基づき、その任務の遂行およびその目的達成のため必要な法律上の能力、特権並びに免除を加盟国の領域で享有する。

 

第99条(無期限延長) 1 この憲章発効の25年後、憲章が無期限に効力を有するか、又は追加の一定期間延長されるかを決定するために、その再検討会議を開催する。その決定は、会員の過半数による決議で行う。

  2 各締約国は、この憲章の対象である事項に関連する異常な事態が、自国の至高の利益を危うくしていると認める場合には、この条約から脱退することができる。

 

第100条(所在地と正文)1 総会が、この機構本部の所在地を決定する。総会は、25年毎に本部又は支部の所在地を再検討することができるものとする。

  2 この機構においては、各加盟国の言葉をひとしく正文とする。2つの正文間の意味の相違は、英文を考慮しつつ、調和的に解釈して適用しなければならない。

北東アジア共同体裁判所規程(案)について

北東アジア共同体裁判所規程が、北東アジア共同体機構憲章に付属するものとして提示する。この裁判所は、それに事実調査委員会が関係していることに一大特徴がある。この案では、第1部が「北東アジア共同体事実調査委員会」、第2部が「北東アジア共同体裁判所」であり、その第1次私案は、下記のとおりであるが、厳格な規定が求められる文書としては、簡略すぎるので、第2次案では詳細な諸条項を考えたい。現段階の要点は、下記の通りである。

北東アジア共同体裁判所規程(案)

 

われら北東アジア共同体機構憲章の締約当事者は、

圏内の紛争を平和的に解決し、力でなく、法の支配する北東アジア共同体の法治共同体の発展に寄与し、

圏内の住民が平和に、かつ友好的に共生できるようにする組織を創建し、それを発展させる目的のため、

北東アジア共同体機構憲章をつらぬいている精神に基づき、

20??年?月?日、ここに北東アジア共同体裁判所規程を採択した。

第1部 事実調査委員会

1条(地位) 事実調査委員会(以下、委員会)は、北東アジア共同体裁判所に付属する常設機関とする。委員会は、加盟国のいかなる機関からも独立し、その成員は、もっぱら自己の良心に従い、事実審査の目的ため行動しなければならない。 

第2条(構成) 加盟国政府が、委員3名を指名し、これらの委員が第7の成員の委員長を選ぶ。委員長には、第3国の国籍の者も指名されることができる。
  所与の事件につき、別段の合意が成立すれば、委員会の構成はそれによる。

 
第3条(審査事項) 委員会は、圏内の国際的事項について、その事実のみを審査することができる。
 a. 加盟国家間の事件、加盟国
とそれ以外の加盟国の国民間の事件、加盟国の国民間の事件。但し、民間だけの国際的事件の審査については、裁判所規則によって制限される。 

b. 加盟国間の係争地内又はその周辺で生ずる密漁、越境、衝突、逃走などの事件。
c.
加盟国間の諸条約上の権利義務関係にかかわる事件。

d. 付属書が定める圏内の巨大プロジェクトに関する事件。

e. 紛争当事者が、事実審査に合意するその他の紛争。

第4条(調査専門家団)  所与の紛争について、委員会は、原則として、その事実調査に適切と判断される下部機関である専門家団を編成するものとする。

第5条(調査への協力)加盟国は、その法令に従って、調査専門家団の調査に協力しなければならない。

第6条(審査報告書) 委員会は、前条で規定されている要請があったときは、もっぱら事実審査のため専門家団と協議し、その審査報告書を作成しなければならない。 

第7条(法的判断の回避) 専門家団が認定した事実に関し、この専門家団も委員会も法的判断を差し控え、また責任(損害賠償)の判断にも触れないものとする。 
  
第8条(報告書の提出)同委員会は審査報告書を加盟国および関係者に提出しなければならない。

第9条(上級審査機関)事件又は紛争当事者は、事実調査委員会の事実認定に不満である場合に、第2部で規定されている北東アジア共同体裁判所に上訴できる。

第10条(他の調査機関) 委員会以外の国家機関、団体又は個人が、所与の事件につき独自に事実の調査を行うことは妨げられない。
 
       

第2部 北東アジア共同体裁判所

                第1章 総則

第11条(管轄権)1 加盟国が、交渉又は他の方法で解決されない、条約、その付属議定書又はその細則の解釈又は実施に関する加盟国間の紛争で、北東アジア共同体にかかわるものと認めると場合は、その紛争はいずれかの紛争当事者の要請により、この北東アジア共同体裁判所(以下、裁判所という)へ付託することができる。

 2 裁判所は、前項のほかに次の事項についても管轄権を有する。

a. 認定されるなら条約又はそれにもとづく協定の国際義務の違反となるような事実。
 
 b. 前条の審査委員会の審査報告書に不満である事実の認定。
 
  c. 加盟国が、その都度または一般的に合意するその他の紛争。
  e.
付属書が定める圏内の国際的な巨大プロジェクトに関する紛争。

                 第2章 臨時裁判所

 

第12条(臨設)裁判所設立されてからの初段階の過渡期においては、事件のつどごとに加盟国政府が必要と判断したとき臨時に裁判所を設置し、そのつど臨時裁判所の構成およびその特定任務を規定することができる。

 

第13条(設置提案) 一国が、臨時裁判所設置を提案したとき、それについて他の加盟国は誠実に交渉しなければならず、その交渉が合意に至らない場合に、この両者は、次の第3章に規定されているような形の裁判所を設置するものとする。

 

                  第3章 常設裁判所

 

第15条(設置)北東アジア共同体常設裁判所は、北東アジア共同体機構の設立後、その総会が同裁判所の常設の必要性を認めたときから、その設立準備を開始する。

 

第1条(構成)1 常設裁判所のために、加盟国政府が、それぞれ2名の裁判官を指名し、その4名が第5の裁判長を選ぶ。第3国人が裁判長になることもできるものとする。

 所与の事件につき、別段の合意が成立すれば、裁判所の構成はそれによる。

 

第1条(上訴) 加盟国のみが、訴訟当事者になるような事件については、国際司法裁判所を上訴裁判所とすることができ、個人が当事者である事件では、この裁判所の判決を終結として、上訴を許さないものとする。

 

第1条(勧告的意見)係争諸島とそれに関連する諸問題についての利害関係者は、その国際法上の問題についても勧告的意見を与えるよう、裁判所に要請することができる。

 

第1条(判決の不履行)加盟国は、上訴しなければ、この裁判所の判決にしたがうことを約束する。個人が訴訟当事者で、上訴を許さない判決において、加盟国が判決を履行しない場合に、その個人の属する加盟国は、国際連合にたいし、しかるべき措置を決定するよう要請できるものとする。